土佐弁という方言をご存知でしょうか。坂本龍馬の「日本の夜明けぜよ」という言葉は聞いた事があるかもしれません。この「ぜよ」というのは土佐弁の一種なんです。
関西弁は東京でもよく耳にしますが、都内に住んでいたら土佐弁ってあまり聞く機会がありません。
今回は、私が高知に行って分からなかった土佐弁、現代の人も使っている不思議な言い回しを紹介したいと思います。
もくじ
何を言っているか聞き取れない!接続詞編
まずは基本の部分です。接続詞や動詞が標準語とはかなり異なります。私が義実家と会話をする中で最初にハードルに感じたのがこの部分です。
それぞれ紹介していきます。
~しちゅう、~しゆう
「今ご飯食べゆう」「仕事しちゅう」
しゆう、しちゅうは「○○している」という動詞になります。
若い女の子や子供がちゅう、ちゅうという姿は何とも可愛いです♪
き、やき
「忙しいき、後して」「やき、お願いしますわ」
き、やき、は標準語にすると「だから」という接続詞や語尾にあたります。使い方やニュアンスが場面によって微妙に異なるのですが、「だから」や「から」の意味合いで理解出来ると思います。
「今仕事しちゅうき、後にして」→「今仕事してるから、後にして」
と繋げて話す機会も非常に多く見受けられます。
早口で言われたら、分からない!!
ばあ
「いくら位必要かな?」「5000ばあやね」
ばあ、は「~くらい」という意味になります。ただしこれは値が大きいものに対して使う物で、1ばあ、5ばあとは言いません。
~なが?
「そうなが?」「なんなが?」
~なが?は「~なの?」という語尾の部分にあたります。そうなの?なになに?等のニュアンスです。
以上が日常会話の中で良く聞く、土佐弁の語尾になります。普通に話していると結構な頻度で聞こえてきます。
慣れないと外国語のようで、何を言っているのか分からない&ニュアンスが難しいです。
原型なし!全然違う単語編
次は単語編です。関西弁に精通している方は少し通ずる部分もあるかもしれませんが、東京で育った私には全く分からない単語が沢山でした。
ひやい
ひやいは寒い、冷たい、の意味です。「冷や奴」という単語は東京で生活していても出てくるので、何とかひやいは分かりました。
が、会話の中で使うと「ひやい」ではなく「ひゃい」となるので、やっぱり最初はわかりませんでした。(汗)
人をつむ
東京では人を車に乗せる時に、「乗せる」と言いますが、土佐弁では「積む」と言います。
積むと聞くと荷物の印象が強くあるので、人を積むと言うと失礼に思いますが、「積む」は土佐弁では「乗せる」と同義で決して失礼な言い方ではありません。
むつっこい
むつっこいは、胸焼けがする、胸がムカムカする、という意味になります。
旦那(高知出身)に聞いたところ、標準語に直すのはニュアンス的に難しいとの事でしたが、色々聞いてみればどうやら「食べ物を食べた後に油っこくてムカムカする」に値するようでした。
たっすい
もーまったく何の事か分からない。
たっすいは「馬鹿らしい」「情けない」「しょうもない」「どうしようもない」「頼りがいのない」等のマイナスな事を表すキーワードです。
ビールの広告で「たっすいがはイカン!」というキャッチコピーを目にした事がありますが、この場合は「味が薄いのはイカン!」「パンチがないのはいかん!」という意味合いになります。
前後の文脈や、使用するシチュエーションで解釈が微妙に異なるので、難しいですね。本当、外国語のようです。
えずい
えずいは「辛い」という意味にです。
「ほんま、えずいわー」=「マジ、だるい」みたいな感じです。
言われてみれば、そんな雰囲気を感じる事も出来るような、出来ないような…。
どっさり
どっさりは、「いっぱい」という意味です。「どっさり、こうてきたわ~!(いっぱい買ってきたよ~)」「どっさり食べ~や(いっぱい食べなさい)」等、日常会話の中でも非常に良く耳にします。
こじゃんと
「こじゃんと」は「どっさり」の上位変換バージョンで、「すごく沢山」という意味です。
どっさりはいっぱい、こじゃんとはめっちゃ沢山!!というニュアンスの違いですね。お婆ちゃんが孫にご飯をご馳走する時等に「こじゃんと食べや」等と使います。
どっさりに比べると出現頻度は低めです。
いごっそう・はちきん
もはや何かのキャラクターの名前みたいですが
- いごっそう=快男児や酒豪、男性
- はちきん=おてんば娘、強い女性
の事を表します。ちなみに高知では家庭内でも女性が強い事が多いようです。
のうが良い、のうが悪い
この「のう」は「能」の漢字に当たります。つまり
- 能が良い=便利
- 能が悪い=不便
と言う意味になります。しかし、どちらかと言えば不便をメインに使うため能が良いは単体ではあまり聞きません。
能が悪い、はそのままの意味で使用しますが、能が良いは「(不便なので)能が良いように変えや」等、不便が前提の時に用いられたりする印象です。
東京育ちの私には全く分からない土佐弁13選まとめ
東京育ちの私には全く分からない土佐弁シリーズをご紹介させて頂きました。
こうして書いてみると、「ニュアンス」が難しい物が多く、中々表現に苦戦しました。英語等の言い回しのように、シチュエーションによって意味が異なってくるので、一概にこう!とは言い切れない物がほとんどです。
実際にネイティブの土佐弁の方とお話すると、上記のような単語がミックスされて発せられるので、本当にお手上げ。慣れるのに2年掛かりました(汗)
また、分からない単語が出現したら追記していきたいと思います♪
コメントを残す